2026.6.8
舟屋で知られる京都府の伊根町。その舟屋が立ち並ぶ海側は観光地化が進みオーバーツーリズムに悩む一方で、山裾の生活圏では住民の高齢化と空き家化が進行している。このアンバランスな状況を見直し、観光と暮らしが共存できる集落の生活景を求めていくための提案と実践である。
プロジェクトは山裾にある2つの建物の改修を核に進められた。ひとつは、重伝建の主屋を子どもたちの文化的な居場所に再生する「伊根の杜」、もうひとつは、その背後の蔵を地域にひらく「伊根の蔵」である(古材利用に3Dスキャニングを活用したりもしている)。学生は、前者はプロポーザルへの参加、後者は実際の設計と施工にチャレンジし、改修後もその場をひらきながら住民との対話を続けるなど、地域との関わりを深めている。
プロジェクトの綿密な進め方や設計のクオリティは指導教員の力量によるところが大きいだろうが、そのなかでの学生の活動の息遣いが感じとれる作品だった。がんばった学生は、大きな成長を遂げたと思う。






