AWARD
学生設計賞

2025.6.23

第22回「集合住宅再生・団地再生・地域再生学生賞」受賞作品紹介・講師講評②優秀賞1

岸本 涼花(キシモト リョウカ) 室蘭工業大学 環境創生工学専攻

帯と間~簡平住宅のコンバージョンによる町民の居場所づくり~

作品講評:田島則行(千葉工業大学創造工学部建築学科 教授/テレデザイン)

北海道に多く供給された簡易耐火構造平屋建ての通称「簡平(かんぴら)住宅」を活用して再生するプロジェクトである。規格化した住宅群として建てられた「簡平住宅」を、住宅として再生するのではなく、住民らが広く活用できる様な新たな公共施設「カンピラ」としてコンバージョンとすることで、新たな交流の場を作りだすことを意図している。
コンクリートブロック造の部分を残してまちの記憶を残しつつも、既存の屋根を取り払って新しい屋根を直交方向にかけ、屋根の高低差やハイサイドライトで光の変化やリズムをつくりだし、そこに、図書館、学童施設、食堂、カフェを併設し、多世代が交流しながら滞在できるよう、地域に開放された町民の新しい居場所を作り出している。
従来の画一的な集合住宅団地空間の記憶を活かしつつも、多様な使い方に広がりを持たせるように工夫がされており、その点において新しい団地活用の可能性が示されており高く評価された。