JYOSHIKAI
団地女子会

2025.11.17

2025年11月7日(金)日本女子大学 青蘭館にて松村秀一先生を招いたトークイベントが開催されました。

団地女子会の大学生のメンバーが中心になり

松村秀一先生 新刊刊行記念トークイベント
『これからの建築入門』―学生とともに考える 建築の未来―

が開催されました。

新刊についてはコチラのリンクをご覧ください。↓

まずは、先生の基調講演です。
おおよそ次のようなお話でした。

・大学で偉大な建築家による建築(ケンチク)を学んできたが、それらは街中にあふれる建築物と乖離しているのではないか?
・日本の歴史を紐解くと、白川郷などの茅葺は住む人(=建築主)が地域の人と改修を行っているなど、住む人と建築がもっと身近であった
・建物の寿命は人が決める
・長寿命化する建物。残すではなく、「残る」時代
・住む人が建築する取り組みの紹介
・大工は減少しているが、「大工の正やん」Youtubeは大人気で悲観的とも言えない

いつもながらユーモアも交えた軽快でありながら、鋭く現代社会の問題を提起される、とても興味深い基調講演でした。

次は、学生からの質問に先生が答えるトークディスカッションです。


質問は、イベントの予約時にあらかじめ学生から募り、当日先生にご回答いただきました。

質問は以下の通り↓
・日本はスクラップアンドビルドが主流の中で、より長く大切に使われる建築とはどういったものを考えているか教えて欲しい。

・建築ストックの利活用を推進するための環境整備をテーマとして研究しています。建築ストックの利活用を阻む大きな要因は何だとお考えですか?

建築関係者に限らず、誰もが既存の建築に手を加えて使い続けるためには、一般市民がある程度、建築に関する教養を身につける必要があり、その建築教育は大学の建築教育とは異なるのではないかと思います。その建築教育はどのような点を満たすべきだとお考えになるか教えていただきたいです。

・建築学部所属の大学2年生です。
私は来年から意匠、構造、まちづくりのうちどれかの学科に所属するのですが、選ぶにあたりどう考えるのがおすすめか、視点や基準など教えていただきたいです。
例えば、好きよりも得意で選ぶ、など。

・建築と自然が今後どのように関わっていくべきだと思われますか。
昨今は、屋上庭園や壁面緑化などが進んでおり、建築の中に自然を取り入れるという意識が高まっています。そんな中で、建築と自然はどう関わっていくべきだと思われますか。

・建築分野を勉強するものとして、都市から見える建築の在り方と建築から見える都市のあり方についてどちらを優先すべきか、またどのようにバランスを取りながら建築も都市も見ていくかが知りたいです。

トークディスカッションの後は、新刊『これからの建築入門』へのサイン会が行われ、この会は終了しました。


学生からも「いつもと違う視点で建築の話が聞けたので、とても面白かった」「今まで考えていた建築の疑問が解消された」という意見がありました。

松村秀一先生、どうもありがとうございました。